2012年3月20日火曜日

3/19 『風船玉の中へ・・・』アートと詩のコラボ

数年前から、アクリルや水彩絵の具を用いて制作したアートに自作の詩(日英両語)を
綴ってアートと詩のコラボ作品を制作しています。

今回のタイトルは『風船玉の中へ・・・』です。


 
『風船玉の中へ・・・』

風船玉は子どものおもちゃの一種

チューブの中の粘性原液を押し出して
プラスチック製のストローの先につける
最初は強めに息を吹き込んで膨らませて、
小さな玉ができた後、ゆっくりと空気を入れていく
丁度いいところでソッと吹き口を閉じたら、 風船玉のできあがり

シャボン玉みたいに見えるけど、
パチンと弾けたりしない
でも、穴が開いたら
溜息が漏れるようにスーっと空気が抜けてしまって
風船はブヨブヨになってしまう

大きな風船玉を作って
その中に入ってみたかったのは
入院していた五歳時の夢だった
病室で風船玉を膨らますことの他に
できる遊びがなかった頃のこと

光の反射を反射が風船を虹色に輝かせるのを
内側から見てみたかった
そして、まだ信じていた天上の
神様の元へと風船に運ばれていきたかった
発熱も喘息の発作もない
天国の心の楽園へ



A dream of being into a big rainbow-coloured balloon

I look back on a rainbow coloured balloon with nostalgia.

This kid’s toy was sold with a tube of polyvinyl acetate paste and a thin plastic straw.
When the tube was opened, a small ball of paste was made and attached to the tip of the straw.
Then the balloon was inflated by first blowing quickly and then more slowly.
By closing the air hole with the paste, the rainbow-coloured balloon was completed.

It looked like a soap bubble,
However, it did not break it so easily.
Only when a small hole was made and air got out like a subtle sigh,
Did the balloon become soft and airless.

I dreamed of being in the big rainbow-coloured balloon
When I was hospitalized at the age of the five due to asthma,
Prohibited from playing outside like regular children
I could only play in a ward making rainbow-coloured balloons.

I liked to view how the sun light reflected off the balloon from inside it.
And I would have loved to be carried up to God in a heaven
Longing to find inner serenity there
Where I had no suffering from high fever and asthma attacks

*小児喘息だった頃のささやかな楽しみを描いてみました。
 
  アート制作のプロセス: 

 風船玉の部分を残して背景に暗い色を混ぜ合わせて塗りました


 背景に水で薄めたアクリル絵の具を薄く塗り、乾かすを繰り返してレイヤーにしました

 風船玉の部分を黄色と黄緑で塗りました

  風船玉に陰影を付けました

 風船玉に光のキラキラ(光物)をつけて出来上がり!
こちらが原画の色合いです。

青みを強くしてみると、こんな感じに。

 赤みを強くするとこんなふうに見えます




2 件のコメント:

  1. 題名も見ずただ絵だけを見たとき、新たなる命が生まれ出ているように見えました。
    安心出来る守られた世界から新しい世界へ・・・

    でも実際は逆のことを意味されていたんですね。

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  2. 晴ちゃん

    コメントを嬉しく拝見しました。ありがとうございます。

    晴ちゃんがイメージした新生、そして当時の私が夢見た天国。
    死と再生が陰陽のようにつながりを持って広がっていくような感じが
    心にうまれてきました。

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