2014年12月23日火曜日

12/22/14 【喪に服すクリスマス】


キリスト教信者が多い北米では、キリストの生誕を祝うクリスマスは、
年間の最大の行事。
家族・親戚が集まる日本のお正月のような感じ。 

10月31日のハロウィーンが過ぎると、町にはクリスマス・ソングが流れだし、
プレゼントのための売り出しが始まる。

「今年は息子が結婚して妻を連れてくるの」

「孫が生まれて初めてのクリスマス、楽しみだわ!」

家族中心のこのクリスマス、家族に恵まれていなかったり家庭に不幸があった人は、居たたまれない気持ちになることも。

仕事関係のリンさん(仮名)は、もうすぐ夫婦で迎える退職を楽しみにしていた。二人とも70歳になったら、仕事を退職して自由に暮らそうと。

ある日、彼女が欠勤していたので理由を尋ねると、

「彼女の夫が急に心臓発作を起こして亡くなったの」

元気で働き者だった夫君の死は、晴天の霹靂だったという。 

3週間して仕事に戻ってきたリンさんは、気丈に振る舞っていた。
辛い時期はかえって仕事をして人と関わっていた方が気が紛れるからと。

それでも、巷のクリスマスに向けての喧噪は、やりきれない気持ちになるという。彼女がローストした七面鳥を切り分けていた家の主である夫はもういない。

「I am in mourning for my husband:私は夫の死の喪中です

そして、彼女のつぶやいた言葉が心に掛かった。

「Believing in love becomes truth: 愛を信じると真になる」

彼女のこの言葉を形にしたくなって、漢字に当て嵌めてみた。
言葉の意味を色で表現するのに、 赤+白=ピンクとしてみた。

彼女の夫の死を悼む気持ちを象徴的にサポートする方法を考えあぐね、 
木の小箱を彼女の追牌の象徴として贈ることにした。

外側をピンクのアクリル絵の具で塗ってみた。
底と蓋の内側は輝くように蛍光のピンクを選んだ。

ここで、表の部分の装飾について考えてみた。
私は素のまま渡そうとしたけれど、彼女の言葉を漢字で綴った時に感動していたので、どれか選んで記そうか?と訊いてみた。

「Loveとういう字を漢字で描いて、赤がいいわ」
このメモリー・ボックスを渡した時、彼女は私をハグしてくれた。

「ありがとう、私の気持ちを分かってくれて。
今の私に必要なのは、追牌すること。でも、開けっ放しにはできない。
仕事をしている時には蓋をして、一人になった時に開けるわ。
夫との想い出の象徴となるものを入れておいて」

言葉では語り尽くせない想いがある。
そんな時、アートは伝えてくれる。
色で、線で、形で、感触で。

 

2014年12月10日水曜日

7/6/14 31. 『「おやこ」プロジェクト: がん体験者のお母さんと子どものためのアート・セラピー体験』石川県金沢市玉川こども図書館


7月6日(日)13:00-15:00 『「おやこ」プロジェクト: がん体験者のお母さんと
子どものためのアート・セラピー体験』が石川県立看護大学地域ケア
総合センターの共催、北國新聞社の後援で、石川県金沢市玉川こども図書館で開催されました。
親子で参加して下さった皆さんと。看護職の方々も多数参加して下さいました。


 


7月8日の北國新聞に小さいながらも記事が掲載されました。

絵画造形療法は、表現芸術療法という音楽や遊びなどを用いて気持ちを表現する心理療法のひとつ。

お子さんは字を書き始める前から自然とお絵描きをします。ところが大人になると絵の上手い下手が気になって、落書きですら気軽に描けなくなってしまう方も・・・。               

   この機会にお子さんとご一緒に何か創り上げることによって、いつもとは違う親子のこころのふれあいを体験してみませんか?

~治療的効果~ 

アート作りによって心が晴れる感情的な浄化作用   

~想像力の開花~
右脳:イメージ脳の活性化。未だ気づいていなかった自分自身 や違う見方があることに気づく

~心理的効果~ 
   言葉にできなかったり普段意識することのない気持ちがイメージとしてアートに表れ、客観的に見ることができる


参加対象者:がん体験者とそのお子さん、アート・セラピーに関心の
ある看護師 

カナダから持参したアメリカ製の香りマーカーの紹介をしました。それぞれのマーカーの匂いを嗅いでみたら、色によってフルーツの香りがするので楽しい!
親子でなぐり描きのアート・エクササイズをしてみると、描かれた線からいろいろなものが見つかりました。

創作の時間。親子でひとつの世界を作ってみましょう。
相談して決めてから作っても、1人ずつ作って後で合わせてみてもOK。

何ができあがったかな? 

グループでこれからの希望を作ってみましょう。
折り紙や切り紙をした台紙に貼ってみるのもいいですね。
どんな世界ができるでしょうか?

鶴を折って3Dの作品にしてみよう
看護師の皆さんはチームワークが素晴らしかったです!

グループ発表ではメンバー全員が一言ずつ作品について話しました。
真ん中に動物のキャラが二匹いて、その周りに木や花、鳥などがいます

どんなふうにみんなで作ったのかお話ししてくれました
ハートやキャラなど可愛いイメージの作品
青いモザイクの中にこれからも希望が溢れています
真ん中の女性像からさまざまな要素が発信されていきます

参加者の感想は…

「お母さんと一緒に香りの付いたマーカーで何の匂いか当てっこするのが楽しかったです。
みんなで一緒に大きい紙に描いたり、貼ったりして、ワクワクしました」

「子どもと一緒に参加して創作する講座は新鮮でした。
親として子どもにはつい教えたくなってしまいますが、一緒に遊ぶ時間を
持つのは大切なんですね。
楽しかったエクササイズは家でもやってみたいです」

「看護師として患者とその家族と関わる機会があります。
緊張感をほぐすのに、このようなアート活動はとても効果があると
実感しました。
これから臨床に取り入れていきたいです。」

今年で二年目のおやこプロジェクトでのアート・セラピー活動を体験して
頂けて何よりでした。
またこのような機会を持てると嬉しいです。



2014年12月9日火曜日

7/1/14 30. 情熱育児~ママの笑顔は家族の笑顔~第3回『心のアート・ワーク:色を使って心をほぐしてみたら』石川県河北郡津幡町文化会館


7月1日(火)10-12:30情熱育児~ママの笑顔は家族の笑顔~第3回
『心のアート・ワーク:色を使って心をほぐしてみたら』が、ベスタの会

の主催で石川県河北郡津幡町文化会館シグナスで開催されました。
私とベスタさんの頭の上にに耳が付いてます~

ベスタの会はいつもデザインが素晴らしいフライヤーなんです。
画像処置の失敗で右側に画面文字が残ったままなのはご容赦下さいね。

『心のアート・ワーク:色を使って心をほぐしてみたら
忙しい毎日の中で自分の気持ちに注意を向ける時間は
どれくらいあるでしょうか?


それぞれの状況をこなすことに精一杯で、心はくたくたになっている。しかも、それに気づかずにいると、ある日突然、無気力感に襲われて・・・などということにもなり兼ねません。

このセッションでは自分の心に最大限の関心を払って、クレヨンでイメージを描きながら心ほぐしをしてみましょう。
心のリフレッシュ体験を!
 
ワークショップはクレヨンを用いたアート・エクササイズでスタート。 
ペアになってなぐり描きでウォームアップしてから、クレヨン全色
使って絵を描いてもらいました。もし、ストーリーが思い浮かんだら、
それを書き留め、質問シートに書き込んでいきます。

好き嫌いのある色の象徴されるのはどのような意味を持っているのか?を
作業の後でグループ・ディスカッション。

好きな色を使って絵を描いてみて、その色のイメージから連想される言葉を3つ挙げてもらいました。

それは何を意味するのかを解き明かすと、皆さん意外な顔をしていました。
これは講座参加者と私の秘密の部分。
1.紙を縦半分に折って左に自分の嫌いな感情(言葉も添える)を描いてみる。どんなイメージ、姿勢、色、形をしている?

2.紙の右半分に自分の好きな感情(言葉も添える)を描いてみる。

どんなイメージ?姿勢、色、形をしている?

グループ内でアートワークをシェアしてみると、みんなそれぞれ違う作品

なのに、共通点が出てきました。

どちらも自分の気持ちです。心の底に押しこめておいても、なくなりません。
安全な方法で表すことによってその強烈さに翻弄されることが少なくなります。

それには創造的な活動が最適です。

アイディアを出してもらうと、いろいろ出てきました。
アート作り、日記を書く、歌や楽器の演奏、ダンスやエクササイズ、
瞑想するなど。

グループ作業にも慣れてきた頃、なりたい自分像をグループで 
作成しました。
点在しているさまざまなオブジェと紅いつながりのある部分のコントラストが面白いです
切り抜きのコラージュや立体の花も!
テーマごとの展開を下部の少女がまとめている感じ
中心から外に向かって広がっていく楽しい感じ

参加者の感想は…

「色が好きなので参加しました。
カラーセラピーとアート・セラピーは違うものなのだと良く分かりました。
クレヨンで気持ちを表現してみるのって新鮮で楽しかったです。」

「この色を身に付けると〇〇のような効果があると知ると、着たく
ない色でも選んでいたことがありました。
ここに来て大切なのは自分がその色をどう感じているかだと気づきました。」

「自分の嫌いな部分は押し込めていたらなくなるような気がしていましたが、
違うんですね! 
自分の好きな部分、嫌いな部分、両方あっていいと認めたら
気がラクになりました」
グループで作ったアートワークの一部を千切って持ち帰る「千切りの儀」
別室でお弁当を頂き、金沢名物の縁起物の氷室饅頭を手にニッコリ!

この日は懇親会をカラオケのあるお店で開催して頂きました。
プリンセスの被り物は気分が盛り上がりました~
うさぎの着ぐるみ君も登場してくれました!
 私のお気に入りは恐竜の被り物でした!

お子さんたちも参加して下さり、とても楽しい懇親会となりました。

今回のように関連性のあるテーマ群でいくつかの講座を開催して頂けたのは、
講師冥利に尽きました。

来年も石川県でさまざまなテーマの講座を開催したいです。