2014年2月17日月曜日

2/15/14 【死ねっ!殺してやる~】


The Mandella Projectは私の住んでいる町のユース:8-12歳、13-17歳のための放課後のアクティビティーのプログラムなどを運営しています。

The Mandella Project:http://youthpartners.ca/wordpress/mandella-2/
 私が担当しているのは毎木曜日の放課後のArt Explosion:芸術は爆発!のクラス。対象年齢は8-12歳の女子。

Art Explosionとは?

A few of the reasons ART has value for you/your child
アートがあなたと子どもにとって価値がある理由は・・・


►learning to think creatively, with an open mind
オープン・マインドで創造的に考えることを学べる。

►practicing problem-solving skills, critical-thinking skills, and art-making skills
問題解決方、批評的な考え方そしてアート制作の技術が学べる。

►discovering that there is more than one right answer, multiple points of view
一つ以上の正しい答え、幾つもの見方があることを発見できる。

►learning to collaborate with others
他者との共同作業の仕方を学べる。

►introducing to cultures from around the world
世界中からの文化を紹介してもらえる。

►Even with physical, emotional or learning challenges, can experience success in the arts
身体・感情的、また挑戦することを学ぶことでアート制作の成功体験ができる

►Arts build confidence - there is not just one right way to make art,therefore everyone can feel pride in his or her original artistic creations

アート制作によって自信が持てるようになる。
アート制作はたった一つの正しいやり方があるわけではないので、自分なりのアート作品を誇りに感じられる。


こんな体験をしてもらえたら、と私はこのプログラムでアート・セラピストとして働いています。

今回の本題に入ります。 

大抵の大人は、大人としての責任やストレスを感じると、遊んでいる子どもを見て自分の子ども時代の楽しかったこと思い浮かび、

「子どもはいいよね~無邪気に遊んでいられて」

なんて言ってしまいがち。

本当にそうでしょうか?

子ども時代は養育者を含む環境によって大きく作用されます。子どもが自分の意志によりコントロール状況はほとんどありません。

多くの養育者は子どもに良かれと子育てをしていることでしょう。でも、さまざまな事情により、子どもにとって適切な行動を取ったり、環境を維持することができない場合もあります。

楽しく遊んでいるように見えるお子さんの心の中では家族への不安、学校での級友との葛藤、環境による欲求不満などが渦巻いていることもあります。

このプログラムには、家庭に事情のあるお子さんがやって来ることが多く、遊びやアート作りを通して、彼女たちの心のありようが表われます。

お絵かきが大好きなSちゃんは、大きな紙に描きたいと模造紙に
絵を描くことを楽しんでいました。

真ん中っ子で順応性に富むSちゃんは、どんな子がグループにいても、うまく遊べる適応のよいお子さん(そうではないタイプのお子さんもたくさんいる)

Sちゃんは、私の持参したペン立てに見たことのない道具を発見し、手に取ってみました。
段ボールや缶に穴を開けるために使っている目ぬき

カナダでは大工道具コーナーでもあまり見掛けないものなので、Sちゃんは物珍しかったようです。そして、こんなことを始めました

目ぬきを紙に刺して切れ目を入れて喜んでいたのですが、それが高じてテーブルに敷いておいた紙だけでなく、冊子なども切り裂き出しました。

「死ねっ!殺してやる~」

死ねっ!死ねっ!死ねっ!」

「どうだ!息の根を止めてやった~」

何度も目ぬきを振りかざし、一心不乱に切り裂いています。 
その眼はマジでした。
まるで、日頃のうっ憤を一気に晴らしているかのようでした。

私は彼女の横で合いの手のように、笑いながらこんな言葉を繰り返しました。
 
「そうだ、死ねっ!殺してやれ~」

死ねっ!死ねっ!死ねっ!」

「息の根が止った~やっと殺した!」 

私の合いの手でより気分が高揚したSちゃんはしばらくこの作業に没頭し、自然と手を止めました。
 「私を入れて記念撮影して!」
 この大惨状を喜んでいるかのような笑顔のSちゃん。

普段、いい子にしているお子さんほど、心的ストレスが溜まっていることが多いようです。
自他に危害が及ばない方法で発散できると気分がすっきり!

大人であり、監督者役の私がこの場を見守り、容認したことで安心してこの作業を果たすことができたのです。
この後は自分で選んだ木の箱を一部塗って、大切そうに持ち帰りました。 

彼女にとってこの箱はどういう意味を持つようになるのでしょうか。

 



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