2014年3月31日月曜日

3/30/14 バンクーバー開催第七弾『カナダで本当の自分と出会おう!』

バンクーバーで日本の『心のアート・ワーク』のワークショップを開催するようになって、早くも二年半が経ちました。

今回のテーマは、 『カナダで本当の自分と出会おう!』


大人になるといやが応で本音と建前を使い分けて生きなくてはならない日本の社会。無邪気に正直な気持ちを表現できたのはいつのことだったか…
カナダの自由な雰囲気の中で自分の気持ちとつながってみませんか?クレパスやマーカーなどで描いた色や形のイメージ表現を通して、自分の中でいろいろな役割を演じている部分にフォーカスしてみましょう。すると、その下に隠れていた自分の本音が見えてきて今よりもっと生きやすくなります。
さまざまなアート・エクササイズを体験して、本当の自分と出会ってみませんか?
まずはカナダの臨床で用いている『今日の気分は?』チャートに今日の自分の顔を描いてもらいました。

久しぶりにクレパスや色鉛筆、初めてカナダの香りマーカーを手にして楽しい雰囲気に。
ペアでアート・エクササイズ。
なぐり描きからさまざまなイメージが発見できるのが意外!

サイレント・ドローイングは、一切のコミュニケーションを断って、二人で一緒にお絵かきをします。
興味深かったのは、同時に二人が紙の同一に猫の絵を描いたこと。
別のペアだし、お互いに見ていないのに、シンクロしていて興味深かったです。

この後、スピードが勝負のアート・エクササイズ。
また、アドラー心理学を用いた4つの動物から好きなものを選んで、それが自分のどんな性質を象徴しているかを探りました。

休憩の後でパペット(指人形)を用いてのロール・プレーインや、心理の勉強を取り入れ、本日の皆さんのご自身に対する気づきを伺ってみました。

「自分が想定していた性質が、やっぱり当たっていたと確信しました」

「意外な面が見つかって面白かった~」

「自分自身について考え直す機会となってよかったです」

「個人・ペア・グループ・ワークがあって、バラエティーに富んでいて、よい経験となりました」
最後のワークは、グループの共同作業で今日の気づきから向かっていくこれからのイメージ作り。
こんな作品ができあがりました!
 全員で作品と共に写真撮影!
グループ画の保存は難しいので、各自、気に入った部分を千切って持ち帰ります。普段することが少ない千切る作業って楽しい~
 
今回はアート作りが大好きな方々の女子会となり、和やかな雰囲気の中で気づきを得て、自己洞察を深めていく姿が印象的でした。
 
また、このようなワークショップの機会を作っていきたいです。
 
            


こんなイメージに仕上がりました~                                                                                                                                                                  

2014年3月30日日曜日

3/27/14 【ケア・ギバーのセルフ・ケア講座】

私が所属しているカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の臨床心理カウンセラーの協会:BC Association of Clinical Counsellors(BCACC)

毎週、協会から心理療法の専門家の研修会情報がメールで送られてきます。

私の住んでいる地方では、多種の専門的な講座はなかなか受講する機会がないのが実情です。そこで、バンクーバーに来る前にリサーチして、 日程が合えば専門家の研修会を受講するようにしています。

今回の研修のテーマは 『ケア・ギバーのセルフ・ケア講座でした。

主催は、United Canadaという協会でした。
http://www.unitedway.ca/

参加者は心理療法やシニア施設、政府の家族・子ども関係従事者が多く、自分の仕事に誇りを持ち遣り甲斐を感じている方ばかり。

でも、真面目に他者をケアする仕事に就いている人が、過剰なストレス反応、燃え尽き感、二次トラウマによる症状に苦しむことも。

私も今でこそワーク・ライフのバランスが取れてきたように感じますが、大学院の実習生の頃は、クライアントの感情の波に飲み込まれそうになったり、情緒不安定の状態を体験しました。

3時間の講座は、パワーポイントを用いての座学中心でしたが、ペアやグループのディスカッションもありました。配布物の内容も良く、後で復習しやすくて助かりました。

今年の日本滞在中にセラピストや医療関係者のセルフ・ケア講座が幾つか開催されるので、今回の学びをアート作りを介してプログラムにしていこうと意気揚揚としています。
 講座の写真はないので、会場の入っている建物のショットを。
スカイライトが射し込んで明るくて都会的なデザインのビルでした。



2014年3月29日土曜日

3/26/14 バンクーバー初開催 【親子でアート・セラピー体験を!】


去る326日、バンクーバー近郊の会場で以下のワークショップが開催されました。
バンクーバーで親子でアート・セラピー体験を!

BC州の公認アート・セラピストとしてカナダと日本でワークショップを
開催しています。
一般のアート教室は上手な完成品を作ることを目標としています。
私が発達させた『心のアート・ワーク』は、どのようにして
アート作りをするかを大切にしています。
 
このワークショップでは親子で一緒にアートを作り上げる楽しさや、
喜びを体験して頂きます。
学齢前のお子さんも、そして、「図画工作は苦手」という親御さんにも
安心してお試し頂けます。 
このワークショップから得られる効果 

  *感情を充分に発散する (心の安定につながります)

  *想像力を育てる     (自分を助ける力や柔軟な思考力を養う)

  *自分の心に耳を傾ける (自分は何をしたいの?

  *自分を認める力を養う (自分を大切にします)

  *他の人を認める力を養う(他の人も自分と同じくらい大切)

 
今回の参加者は2歳~6歳の女児と、その親御さんでした。
 
二歳児にアート作りができるのでしょうか?
 
アート作品を作成することにフォーカスしてしまうと、完成品は、
何だか分からない線や色の絵にも見えない代物かも知れません。
 
私が大切にしているのは、年齢が幼いお子さんでも、グループ
でのアート作りの部屋、テーブルで一緒に何かの作業をしていること。
 
テーマ通りに何か描いたり作ったりしていなくても、親御さんや
お友達と一緒に手作業をした楽しい経験が心に刻まれます。 

 会場に到着したら、最初に好きなようにお絵かきをして、気持ちをリラックス

さまざまな色や図案のスカーフを選んで1人ずつ自己紹介したり、
親御さんとチームになって、何を描いたか当てっこゲームなどに興じました。
 
指や手を入れて遊ぶパペットは遊び心を刺激します。
親子の縦の関係を取り払って、友達気分の横の関係を体験! 
カナダではモデリング・クレイと呼ばれる紙粘土のように固くならない
弾力性があり発色の良い粘土が普及しています。
 
今回は白い粘土を用いて、親子で好きなように何か作ってみました。
 
パイプ・クリーナーや、(日本ではモールと呼ばれていますね?)を
用いて雪だるまや、食べ物を作りました。
親御さんと一緒に作った猫にヒゲや首輪を付けました。 
親御さんの指導でハサミを使う練習も。
ピンクのパイプ・クリーナーをキャンドルに見立てて、バースデー・ケーキを作っているところ。
 
お子さんは、シールやテープなどを貼るのが大好きなことが多いので、
柄物のバンドエイドを用意。
シール、ちょっと厚手のフォームなど、いろいろな素材を貼ってみるのも楽しそうでした。
 
親御さんに感想をお尋ねしてみました。
 
「娘が集団で楽しく遊べることが分かりました」
 
「親子で遊べるアートを体験して楽しかったです」
 
「ちょっとした発想で色々なことを表現できるのですね」
 
また参加したいとのお言葉も頂き、嬉しかったです。 
これからも、このような機会を作っていきたいです。

2014年3月21日金曜日

3/20/14 【地元図書館で折り紙教室】

地元の図書館から依頼されて折紙や書道のセッションを始めたのが2012年。それから、図書館のお子さん向けのイベントに、12月のクリスマス、春休みのイースター、夏休みの楽しい行事などをテーマにした折紙を教えています。
今回のテーマは4月のイースターに因んでひよこと兎。目の部分に光物のシールを貼ります。
そして、侍ヘルメットとして人気があるので、兜を折りました。

8-12歳のクラスでしたが、兄弟連れで、年齢が下のお子さんも参加。
おばあちゃんと参加のお子さんもいました。
嬉しいことに、申し込みを上回る17名が参加しました。
日本だと折紙は女児のイメージですが、カナダでは男児も喜んで参加します。ひよこや兎に顔を描くのも楽しい~
予めフリップチャートの紙を四角に切っておき、ここから兜を折りました。
今回私は浮世絵の相撲のトップを着ていきました~カナダで買ったものです。

今回の参加者は上手に折れるお子さんが多くて楽でした~
兜の前面に日本語でお子さんの名前を書くと、みんな喜びました~
それぞれにデコレーションした兜を被って「おりがみ!」と写真撮影。

お陰様で、好評につき、夏休みも図書館で折紙を教えることになりました。
どんなものを作ろうか、今から楽しみです。

2014年3月15日土曜日

3/14/14 【大人発達障がい者の本の出版記念会】

私が住んでいるカナダBC州内陸部にあるオカナガン大学は、この地域に数校のキャンパスがあります。
それぞれのキャンパスには大人発達障がい者のクラスがあり、全てのクラスの生徒たち、また、先生、コミュニティーが協力して、本を制作しました。


『The Power of Identity: 自己同一性のパワー:知的障がい者のプライドと歴史』 

今日はこの本の出版記念祝賀会がサーモンアーム校で催され、私はこの本の挿し絵選考委員として出席しました。
二か月前にこの本の挿し絵と詩を生徒の応募作品から選考する会が催され、アート・セラピストの私と、発達障がい者の施設の運営者が推薦されました。会場はこんな感じでした。
 詩と挿し絵の選考委員四名
 今日の出版記念祝賀会にはサーモンアーム校の校長も出席
この地域で発達障がい、一般の方を問わず人々がコミュニティーを育んでいこうという会シュスワァップ・コネクションズが発足されました。

シュスワァップ・コネクションズはこれから活発に活動をしていく意向を表明し、会場から大喝采が湧きあがりました。
この本の出版に尽力を尽くされたワンダ先生と。

表紙を含め、私たち選考委員が選んだ作品は…
 『アイデンティティー』
それぞれの列車には、conduct on own trainと書いてあり、電線には、(I am) awesome, I am funny, I am smartの言葉が。アイディア賞の作品。
 この大きく開かれた手は、何を掴もうとしているのでしょう?
 日本のアニメのタッチの作品。自分を縛っている鎖を引きちぎっているところ。
コミュニティーには、老若男女、楽しい、悲しい、驚いた、おすましな顔のいろいろな人がいるよ。真ん中が制作者のようです。
ワード・パズルの真ん中のラインが愛情を思わせるピンクのSUPPORTになっていて、その重要性を強調。それぞれのラインの配色も凝っています
 自分のアイデンティティーを描いて、言葉も添えています
実物は紅い毛糸を用いて作成された、カナダの国旗を思わせるハートの作品
 さまざまな想いや思考、妄想?などに苦しんでいる姿
この肖像画の素描には目力が感じられました
選考された7編の詩からは、作者の深い想いが綴られています

実際に大人発達障がいの生徒たちと言葉を交わした祝賀会。
彼らのひたむきな想いがこのような形になって何よりだと感じました。
自分が少しでもこの活動に関われてとても嬉しいです。

これからも、このような活動に参加していきたいです。

2014年3月7日金曜日

3/6/14 第三回【自閉症スペクトラム障害児とのアート・セラピー】講演会

今日は私が住んでいる町の自閉症スペクトラム障害:ASDのためのサポート・グループで第三回『自閉症スペクトラム障害児とのアート・セラピー』の講演会が開催され、講師としてスライド・プレゼンテーションをしてきました。

この協会での講演会は今回で3度目。
新しい会員が増えていたので、前回とは違った顔ぶれでした。

 自閉症スペクトラム障害をWikkipediaから引用してみます。

自閉症スペクトラム(じへいしょうスペクトラム、英語: autism spectrum, autistic spectrum)とは、自閉症、アスペルガー症候群(日本語ではアスペと略されて呼ばれることもある)、 特定不能の広汎性発達障害などの各疾患を広汎性発達障害の連続体の1要素として捉えたもののことである。

自閉症の説明はこちら。

自閉症(じへいしょう、Autism)は、社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる発達障害の一種。先天性の脳機能障害であるが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。


自閉症の症状

  1. 対人相互反応の質的な障害
  2. 意思伝達の著しい異常またはその発達の障害 
  3. 活動と興味の範囲の著しい限局性
 日常語でうつ病やひきこもり、内気な性格を指して自閉症と呼ぶこともあるが、 これは医学的には完全に誤った用語である。

発症率は増加の傾向にあり、現在では大まかに「100人に1人」と言われています。 ところが、私の臨床現場では、どんどん増えていく傾向にあります。

私はカナダBC州教育庁管轄の83部門で公認アート・セラピストとして仕事をしています。 


主に問題行動のある生徒と一対一の個人セッションを継続的にしていて、その中にはアスペルガーを含む自閉症傾向のある生徒もいます。 

今回の第三回『自閉症スペクトラム障害児とのアート・セラピー』の講演会では、 私が個人セッションをしている7歳男児の事例を作品の写真のスライド上映と共にお話しました。

最初にアート・セラピーにおける自閉症スペクトラム障害児の治療的ゴールのご紹介しました。 


  自己認識感を向上させること 。

 社会性を発達させること。

 行動の変化を起こすこと。
 
 問題解決力をつけていくこと。

 安全な環境の中で創造的な発想ができるようにしていくこと。

 侵入的な考えを締め出すために手を使った活動をすることに集 中できるようになること。

Art Therapy for High Functioning Autism - How to Get Started



地元の保健所内のホールに親御さんを中心に専門家も集まりました。
アート・セラピーと聞くと画材のみでアート作りを想像する方も多いようですが、私はパペットやフィギュアも用いて表現の幅を広げています。

皆さん、とても熱心に見入ってさまざまな質問が寄せられて活気のある会となりました。 

この後の懇話の時間には自閉症スペクトラム障害のお子さんに対してのアート・セラピーを試してみたいという親御さんが何人かいらして、いろいろとお話してきました。 

また、アート作りを用いた母親、兄弟、家族のサポート・グループの要望があったので、企画してみようと思っています。

ASDサポートグループの会長より講演会のお礼にギフト・サーティフィケートを頂き嬉しかったです。

膨大な数の写真を検索し、写真を選んでスライドを編纂するのに莫大な時間を費やしました。


でも、参加者に自閉症スペクトラム障害児へのアート・セラピーの効果をご理解頂けてセラピスト冥利に尽きました。

2014年3月6日木曜日

3/5/14 【書道はアートだ~!】

私がアート・セラピーをしているBC州の学区域で、
『第11回アート・フェア』が開催されました。
 
小学4・5・6年生の中からアートが好きな生徒が数名選ばれ、 
各自が選んだワークショップを受講できる催しです。
 
私は第1回からJapanese Calligraphy:書の講師をしています。
 1クール8名の生徒を4回教えて、9:00-14:00まで立ちっぱなしでした~

 「火」「水」「空気→風」「土→地」と四大元素のアレンジしたものと、今の私たちに必要な「世界平和」、そして、「愛」「夢」も網羅しました
カナダの公立校には制服がないので、服装も髪の色も自由です。
 
自分のベスト作品と共にグループ写真の撮影をしました。



お休みの生徒もいたので8名全員出席の回はなかったものの、参加した生徒たちは初めての書道を墨絵のようにアートとして捉えて描いていました。
 
生徒たちは自分の名前を日本語で書けるようになって大喜びでした。

他にもさまざまなアート作りのコーナーがありました。
 先住民族のビーズ細工は細かい手作業。
 肖像画のコーナーでは自分の顔を描いていました。
 陶芸コーナー
 毛糸を用いてマフラー作成
 
 この学区域の中にはカナダの先住民族居留地もあるので、
生徒たちは彼らの文化やアートを学校で習っています。


中国文字として、「雨」が描かれていたのが興味深いです。

国際的な作品群の中に日本もありました。                    生徒たちにアート作りの喜びを体験してもらえる、このような催しが続いていきますように。