2016年9月29日木曜日

9/28/16 【自殺を防げなかった】

前回の【自殺前兆のサイントピのブログ http://kokoronoartwork.blogspot.ca/2016/09/92516.html
にたくさんのアクセス&コメントを頂きました。

そこで、今回は私の友人の自殺を防げなかった
体験について綴っていきます。


自殺した友人に捧げる自作の詩とアートのコラボ作品

『笑顔だけ残して』

心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。


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私の友人・知人に自殺という形で
人生を終わらせた人たちがいる。

彼女たちは十代の多感な時期を過ごしていた。

特に親しかったり、よく会っていたわけではなかったので、
自殺を決行した直前の様子は分からない。

でも、彼女たちの自殺は、私の心に大きな波紋を起こした。
 
ご遺族から、

「今思うと・・・」

と自殺直前のその人らしくない行動や、言動が知らされた時、
とても悔しかった。 
 
もし、彼女たちの自殺の前兆を知っていたら、
自分はその人に会いに行った。

もし、会えなかったら、電話や、メールを使って
連絡を取ろうとしたに違いない。

あなたを失いたくない人間がここにいると
知らせるために。

でも、私は知らなかった。

彼女たちが死を選ぶほど辛い気持ちでいたことを
知らなかったのだ。

訃報を受け取るまで自分は何もできなかったことが、
心の中に深く澱のように沈んでいった。 

こんな悔しさから、私はSafeTALK、そして、ASISTの自殺予防技術トレーニングのコースを受講した。
 
自殺を選んで死に至る瞬間、
彼女たちの脳裏には何が横切ったのだろうか?

走馬燈のように駆け巡る思い出の一コマに
私はチラッとでも入っていたのだろうか?

だとしたら、 その関わりは
私の中にも刻まれているはず。

思い出の人になってしまった彼女たちに、
せめてもの追悼をしたくて
絵筆とペンを執った。


 『笑顔だけ残して』



あたりまえのようにあったその場所に、
その人の存在がなくなった


生きていさえすれば、声を聴くことも、
手を取り合うこともできるのに、

その人は逝ってしまった



「さよなら」の言葉も残してくれず

受け取った訃報を、
信じられない想いで持てあましている



最後に会ったのはいつだったろうか?

どんな話をしたのだろうか?

どんな気持ちだったのだろうか?

別れ際に身体を寄せ合って、抱きしめあったろうか?



曖昧な記憶を掻き集めて

心の中にその人のコラージュを作る


いつも会っていた場所や、好きだった

動物や、分かち合った秘密


欠片を集めてその人が生きた

痕跡を残そう



その人の笑顔だけが残って

私に微笑みかけている


私の心の中の時計はそこで止まったまま

もう時を刻むことはない



その人の魂は辿りついたところで

安らかな眠りについているだろうか


その寝顔には笑顔だけが残って

永久に微笑み続けることだろう 






2016年9月26日月曜日

9/26/16 【自殺前兆のサイン?】

前回の自殺予防のトピのブログにコメントを頂いたので、
今回は自殺前兆のサインについて綴っていきます。
心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。


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私が先週末受講した2日間の
自殺予防技術トレーニング:ASISTより
 
この図は、自殺念慮なし⇒自殺念慮⇒自殺行動⇒死、の流れ。


自殺のサイン

行動           言動

私物を人にあげる                    「問題はもうすぐ解決する」
家族、友人、学校、仕事からひきこもる 「今の自分を誰も救えない」
スポーツやレジャーへの関心がなくなる 「自殺者が体験したことが分かる                   気がする」
アルコールや薬物の乱用               「もうこれ以上は無理」     
衝動的・無謀な行動                「自分はみんなのお荷物」
自傷                                「生きていても仕方ない」
極端な行動の変化                     「まともに考えられない」

身体

自分の外見への興味が薄れる
性的な興味の変化・減少
睡眠困難
食欲・体重の変化・減少
身体の不定愁訴


感情

絶望的
怒り
罪悪感 
自己無価値観
孤独感
悲しみ
救われがたい
望みがない

喪失感を伴うストレスの高い状況が
自殺念慮の引き金になることも!

 

特に過去に自殺未遂で自殺を試みた人は、
繰り返すことがあるので要注意!

このようなサインにどのように
手を差し伸べたらいいのでしょうか? 

死にたい気持ちを正面から受け止め、話をそらさない。

これは聴く側に心の覚悟がいる。
 
「自殺」という言葉を避けないで、直接的に

「自殺を考えているの?」と尋ねていい

もし、相手が自殺を考えていたら、
 
「そんなこと言わないで」など否定したり、
「大丈夫だよ」など軽視したり、
「がんばって!」 など励まさない。

辛い気持ちを吐露されたら、
「そうなんだ」 
と受け入れることが大切。 
 
いつでも救いの手を差しのべる用意があることを告げる。



「私はあなたを想っているから、
辛い気持ちになったら連絡して」 

相手の安全を心配していることを知らせる。 

「夜中に眠れなくて自殺したくなったら、
クライシスラインなどに電話して、誰かと話して」

孤独感が高まると自殺行動を
起こしやすくなるので、

人と関わる体験を持つように仕向ける。

場合によっては、助けを求めることを伝える。

「今晩、自殺をしないと約束してもらえないようだから、
今から電話して救急車に来てもらうようにするね」

「自殺の気持ちが高まっているのね。
これから一緒に救急病院へ行って、入院の手続きしよう」

抑鬱状態の場合は、自殺率が一挙に高くなる。

鬱の退院直後など、回復しかけた頃が
もっとも自殺の危険性が高い。


深刻な自殺念慮の場合は、
精神科医を受診を勧めることが大切。

体験がないと重荷に感じそうな
自殺念慮への対処法。

それでも、自分の関わり方次第で

相手の命を救えるかも知れない。





 











 

2016年9月25日日曜日

9/24/16 【自殺を防ぎたい!】

今日は秋晴れで運動会日和のような、いいお天気でした。
一日中、屋内で勉強しているのがもったいなかったような…

 
このコースのイントラのシャノンとベティと共に。
 
ASIST:自殺防止スキルトレーニング(16時間)
修了しました!

心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。


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先週受講したSafeTALKと同じLivingWorksが主催している
自殺防止の上級コース、ASISTを受講しました。

 

会場はここから南に60㎞のVernonという町の精神衛生協会。

私が地元でアートのボランティアをしてる同協会より、
こちらの方が規模が大きい。

さまざまなバックグラウンドを持つ19人が受講。

殆どの受講生が、身内や友人・知人を自殺で亡くした体験を
していました。


私も同様の体験があるので、自殺予防をしたいと強い想いを抱いて参加。

このワークショップで最初に明確にしたのは、

自殺を考える=実行すること、ではない

自殺念慮とは、死んでしまいたいと
思っている段階。


いつ、どこで、どのようにするかの計画が
立っているかどうかは訊いてみないと
分からない。


大切なのは、この段階で介入すること。
 
ASISTが用いているPALモデル
 
相手と話をしていて、
  
夜、眠れない、 

喪失体験があった、 

希望がなくなった、

今まで楽しんできたことに興味がなくなった、

誰にも分ってもらえない、

人生なんてどうでもいい

という言語・非言語のメッセージを受け取ったら、
ズバリ、正面切って訊ねてみる。

「人生なんてどうでもいいって感じがするけど、
自殺を考えているの?」

ここで相手がNOと言っても、
相手の様子から自殺念慮を確信したら、


「いつする?」

「どんな方法でするの?」 

「どこでするの?」

などを訊ねて、自殺の計画を明確にしていく。


「あなたを心配してるから、まずは安全を期します。
助けてくれる人を呼んでもいいですか?」

相手の状態によって、警察、病院、家族などに連絡する場合も。

もしくは、未だ計画が立っていない場合は、
話をしている内に自殺を留まろうと
気持ちが変わることも起こり得る。


ただし、大切なのは相手の安全性。


日本的な「寝た子を起こすな」の発想が首をもたげても、


自殺という言葉を出したことによって、相手が
自殺を誘発される可能性はほとんどない。 

相手は自殺を考えていることを誰かに
言えたことで、ホッとする。


そこから心を開いて気持ちを話してくれる
可能性が高くなる。 


介入の仕方の構造が分かってから、会話の練習に。
これが中々チャレンジだった。

「分からない」
「知らない」

という不明瞭な返答が返ってきても、
それでも、忍耐強く、そして、地道に
相手の話を聴くことに終始する。

これはトレーニングを積んで身に付く技術だと実感。

せっかく学んだ自殺予防の技術なので、
直観的に相手の自殺念慮を感じ取った時に用いて、
自殺防止に貢献していきたい。