2016年10月5日水曜日

10/4/16 【自殺後に遺された人は…】

前回の【私の自殺念慮
 http://kokoronoartwork.blogspot.ca/2016/10/100116.html
のブログに、たくさんのアクセス&メッセを頂いたので、 今回は自殺後に遺された人の心のケアについて綴っていきます。

当たり前のようにそこにいた人が、
ある日突然いなくなってしまったショック!


心を紐解くアート作り:プロセスを大切にする 『心のアート・ワーク』の
カナダBC州公認アート・セラピスト&同州公認心理カウンセラー
上原英子です。



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自殺で逝ってしまった人が身内だったり、交際相手であったら、
大きな打撃を受けるのは当然のこと。


それがたとえ、友人や知人であったとしても、
強いインパクトを受けることもある。


「 誰か一人が自殺したら、
最低でも6名から8名が強い影響を受ける」

年間2万人が自殺する日本では
12万から16万人の人が
「あとに遺された人」となる。

 
では、大切な人を自殺で喪った人は、
どのような気持ちになるのか?
また、どのように自身の心のケアをしたらいいのだろう。


便宜上、番号を付けたが、
これらの気持ちは順不同で起こり得る。


1.ショックにより感情が麻痺、否定/否認
自殺が起こったことが信じられず、事実を受け入れ難い気持ちに。

「自殺したなんてあり得ない。
あの人はひょっこり帰ってくる」


苦しみに翻弄されているような不安感を覚えることも。

感情がなくなったように感じたり、睡眠障害、食欲不振など、
心身の状態が不安定に、また、不調になりやすいので、
できる限りのセルフ・ケアを心掛ける。


 2.怒りがほとばしる 特に故人との関係に葛藤があった場合に
怒りが強く感じられることがある。
 

「なんでこんな方法で
自分だけ逝ってしまったのか?

無責任ではないか?」

怒りは二次的な感情と呼ばれていて、
その下には悲しみや傷つき感情がある。

故人に強い愛着を感じていた場合は、

まるで自分が見捨てられたように感じることもある。

あまりにも怒りが激しい時は、


人に見せる目的なしで故人への気持ちを尽きるまで書き出してみる。
走ったり、サンドバックなどを殴るなど運動をして発散。
信頼できる人に思いっきり気持ちを話してみる。
呼吸法などで心の平静の状態を作る。 


色々試してみて、自分に合った方法を見るけられるように。

 3.罪悪感に苛まされる
 



自殺が起こったことに自責の念が湧き上がってくる。


「どうして自分は故人が出していたであろう
自殺前兆のサインに気づかなかったのか?」

「自分の言動が原因で自殺したのではないか?」

「あの時、もっと自分が〇〇していたら…」
 
残念ながら、いくら自分を責めても自殺した人は帰ってこない。

このような罪悪感を感じるのは、

 「自殺の原因は1つの事に特定できる」と言う仮定から。

でも、自殺は、必ず複数の誘因が
タイミング悪く重なることによって引き起こされる。

そして、自殺の本当の原因は、
逝ってしまった人しか知らないこと。

自殺した人のその時の精神状態は、
極度の抑鬱状態など
何らかの精神の不調を抱えていることが多い。


故人は自分の感情をコントロールできない状態だった。
致し方のない状況だったのだ。

4.孤独感・孤立感に襲われる
 
故人のことに心を悼ませていると、
他者との間に感情的な距離感を感じるようになってくる。


「自分の気持ちは誰にも分ってもらえない」 

そんな感情から心を閉ざしてしまうことも。

人によっては自死遺族の会などのグリーフワーク:悲嘆の作業

の集いに参加して、自らの気持ちを語ることが
感情の発散と共に他者への共感を覚え、分かりあえた体験となることも。

ある人は故人のブログ投稿や故人からのメールなどによって、
故人との関係を、過去、現在までを思い返し、未来を推定しながら

整理するという個人的な作業で孤独感を払拭した。

それぞれに合ったやり方があるようだ。



5.気分が落ち込んでしまう
絶望感、深い抑うつ、空虚感を感じて、

「自分は何のために生きているのか?
生きていても虚しいだけだ」

人生の意味を自問するような状態に。
何をしても楽しくなく、人との関わりが億劫になり、
引きこもりのような状態に。

グリーフ・カウンセリングという喪失感と悲嘆の作業を
専門とするカウンセラーとセッションすることで、
心情を理解してもらえた実感から孤独感が薄らいだ人もいる。

あまりに辛い場合は、医師への診察や、抗鬱剤などの
服用を一時的にすることのより、乗り越えやすくなることも。

 
いつになったら辛い気持ちから解放されるの?

逝ってしまった大切な人を
すっかり忘れてしまうことなんてできない。


これから故人に自殺で遺される前の心理状態に
完璧に戻ることはないことを受け入れていくのは、
時間も労力も掛かる作業。


普段は忘れていても自殺という文字をみると、
キューッと心臓が縮み上がる感覚に襲われたり、

故人を思い出すようなことに遭遇すると、
自殺を知った時のショック状態に
戻る感じになったり。 

でも、自分の心の苦しみを理解し、
辛いながらもその苦しみを受け入れていくプロセスが、
遺された人の人間的成長の一部になっていく。

故人の死の現実を認められるようになる状態になると、
少しずつ外へ向かうエネルギーが出てきて、
新しい希望が感じられるようになってくる。

周囲との関わりを再開し、
人との関係に価値が感じられるようにもなってくる。
 
ただし、同じ体験をしても、感じ方は各人さまざま。
ここに記したような気持ち以外の感情を強く味わうことも。

そんな時は私にメッセ、コメントなどをお願い致します。
どんなお気持ちなのか伺いたいです。


 

 

 

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